各種Suicaのメリットやデメリット

2018年10月にPayPayによって火蓋が切られたキャッシュレス戦争。各決済システム事業は、新規顧客を囲い込もうと次々と魅力的なキャンペーンを提供。

膨大な広告費を投下したことも手伝いクレカ、交通系ICカード以外はあまり馴染みのなかったキャッシュレス決済が一般にも広く知られることになりました。

認知が広まるにつれて、それなりに利用者を増やすQR・バーコード決済ですが、大型キャンペーン以外には積極的に利用されていないこととも事実。各事業者の思惑とは裏腹に苦戦を強いられているのが現状。

そういった業界の動向の中で、順調に利用者を増やしているのが交通系ICカード。既に普及しきっているのかと思えば、利用者の増加が留まることを知らず2019年9月には900万人を突破。1000万人を越えるのは、もはや確定路線。

その交通系ICカードの代表格がSuica。知名度、利用者数、対応できる駅の数など他の追従を許さず圧倒的な存在感を誇っています。

また2019年10月1日から施行された消費税増税ですが、それに合わせてサービス開始となったのが運賃割引。これによりSuica利用者は増税による負担が軽減、場合によっては解消されることとなり今後もますます利用者が増えていくことでしょう。

Suicaを発行するJR東日本は、覇権を握った地位にあぐらをかかずサービスの向上を常に模索。高速決済が売りのSuicaにおいて、2020年にはタッチアンドゴーからカバンやポケットにSuicaを入れたまま改札を通過できる「タッチレスゲート」を試験的に導入する見込みということです。

進化し続けるSuicaですが、ここではSuicaの基本的な使い方などはさておき、各種サービスの比較やメリット、デメリットなどについて見ていきたいと思います。



必ず登録しておきたいのが、JRE POINTサイトです。

ここで登録して最初に登録しておかないと、せっかくSuicaを使って稼げるはずのポイントが付与されません。運賃の場合も街での買い物の場合もです。

店頭に黄色のマークがあるお店は、Suicaを使ってポイントが貯まるお店。使える店舗が多くても、ポイントが付くお店は結構限られています。有名所ではイトーヨーカドーやデニーズでポイント付与。

店頭に緑色のマークがあるる店はJRE POINTかビューカードの提示で現金、クレカ、Suicaなどの支払いでポイントが付くお店。 Suicaを電子マネーとしてNewDaysやキオスクなどの加盟で買い物をした場合、0.5~1%のポイントが付与。

各種Suicaの比較

Suicaカードにも複数種類があり、それぞれ付加されている機能が異なりますで、ざっと違いが分かるような雹を作成しました。

*表の後に、カード個別で簡単に説明していきたいと思います。

収まっていない部分は横スクロールで表示できます。

画像でも閲覧できます。

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名称無記名式SuicaMy Suica
(記名式Suica)
Suica定期券Suica付き
ビューカード
モバイルSuicaApple PayGoogle PayEASYモバイルSuica
年会費0円0円0円実質0円~
(クレカの年会費)
1050円
ビューカード登録で無料
0円0円0円
チャージ上限額20000円20000円20000円20000円20000円20000円20000円20000円
チャージ最小金額500円500円500円500円500円1円1円500円
現金でチャージ
還元率は0

ポイント還元は無し
銀行口座でチャージ
還元率0
クレカでチャージ/
還元率

・ビューカード必要
FeliCaポート/パソリ必要(2400円くらい)
・1円からチャージ
1.5%

ビューカード必要
FeliCaポート/パソリ必要
・1円からチャージ
1.5%

・駅や自宅でチャージ
・1円からチャージ
1.5%

還元率はクレカによる

還元率はクレカによる

還元率はクレカによる
オートチャージ/
還元率

ビューカード必須
1.5%

ビューカード必須
1.5%

1.5%

ビューカード必須
1.5%

ビューカード必須
1.5%

ビューカード必須
1.5%
JRE POINTチャージ
乗車ポイント
(JRE POINT)

200円につき1ポイント
磁気定期券は✕
モバイルSuica購入金額
に応じて50円につき1ポイント。
使ったクレカの独自
ポイントも貯まります。

200円につき1ポイント

運賃50円につき1ポイント

運賃50円につき1ポイント

運賃50円につき1ポイント

運賃50円につき1ポイント
定期券搭載
一部のカード
Suicaグリーン券搭載
紛失、故障時の再発行
お店で買物
電源オフでの使用
備考紛失時の再発行や残高補償はなし紛失時の再発行等に対応
無記名式と違うのは氏名や
電話番号を申告しての登録作業が必須

無記名式Suica

氏名や生年月日、電話番号などの個人情報を登録しなくても発行できるSuicaカード。

お手軽に作成できますが、乗車ポイントが付かなったり買い物をしてもポイントがつかないなど、キャシュバック特典がありません。

My Suica

特に優れた点はない、最も基本的なカードとなります。2019年10月から乗車ポイントが付与されるサービスを開始。200円ごとに1ポイント(JREポイント)が貰え、200円以下の区間での利用も1ポイント付与されます。

Suica定期券

JR東日本エリアの路線も、JR東日本に接続されている私鉄や地下鉄の連絡定期券も扱っています。

残念な点は、2019年10月から始まった乗車ポイントが付かないことです。出来ればモバイルSuicaでの利用をおすすめします。

*ビューカード以外のクレカでチャージできるカード式Suicaは、条件を満たしたSuica定期のみ。駅に設置されている多機能券売機でSuica定期券を買うタイミングで、クレカをチャージ可能。チャージした残高は、定期券適用エリア外での使用で減算されます。

モバイルSuica

おサイフケータイ機能を搭載したandroid端末や携帯電話(一部例外を除く)、iphone7以降の、Apple Payが利用できる端末とクレジットカードがあれば利用可能なアプリ。

モバイルSuicaを利用するには年会費1050円を支払う必要がありました。

しかしJR東日本は、2020年2月26日以降は年会費を撤廃して完全無料化を宣言しました。

2019年9月3日以降にモバイルSuicaを利用される方には1050ポイント(JRE POINT)がプレゼントされることになりましたので、実質無料となります。

更に2019年10月1から始まった乗車ポイントサービスでは、モバイルSuicaでの利用者が最大限の恩恵を受けられる仕組みになっています。 要点だけ記載しますと、

  • 運賃50円ごとに1ポイント付与(JRE POINT)。50円未満の運賃でも1ポイントゲット。例えば運賃400円なら8ポイントが付与され、還元率は2%になります。Suica残高に現金ではなく、クレカでチャージするのその分も上乗せされます。ビューカードなら1.5%、リクルートカードなら1.2%(リクルートポイント)。もしエポスゴールドカードをお持ちで年間100万円以上使う方なら3%還元(エポスポイント)も可能。
  • モバイルSuicaでは定期券での購入に乗車ポイントが2%付与されます。特筆スべき点は、連絡定期券も他社路線も含めて購入代金の2%が付与。更にモバイルSuicaを現金ではなく、クレカを使用するとその分の独自ポイントが貯まるので、ビューカードで購入した場合は4.5%にも還元率が上がります。
  • モバイルSuicaを使えば、IC運賃での乗車も定期での乗車も消費税増税分を相殺できます。

Suica×Google Pay

Google Payを使えば無料で、モバイルSuicaの一部の機能を使うことが出来ます。しかしながらせっかく貰えたはずのJRE POINTを貯められない、使えないという重大な欠点がネックでした。

しかし上で説明したとおり、モバイルSuicaが実質無料で利用可能となってのでそちらに移行するのが良いでしょう。

Suicaチャージでオススメのビューカード それらの違いを比較

モバイルSuicaに紐つける最強のクレカはエポスゴールドカード。



ただエポスゴールドカードは招待制での永年年会費無料がメリットの一つ。年会費を払って加入することもの可能ですが5000円が必要。また還元率3%を達成するには結構敷居が高かったりします。

そこでオススメなのは各種ビューカード。ただビューカードは種類が多く、どれを選んでよいのか迷うところ。そこで数あるビューカードの中から一部を厳選して紹介してみます。

2017年にSuicaポイント、2018年にビューサンクスポイントを統合して誕生したJR東日本グループの共通ポイントである「JRE POINT」。

バーコード/QR決済を使って貯める方法はなく、還元率の高いクレジットカードを選ぶのが基本となっています。

そこで定番的でありオススメなのが「ビューカード」。チャージや定期券の購入によって1.5%という高還元率を達成。注意したいのはビューカードにはタイプ1とタイプ2の1種類がラインナップされていますが、提携カードであるタイプ2の方は0.5%の還元率になっています。

カード左側にⅡのマークが有るのがタイプ2になります。
JR関連サービスは還元率1.5%

・乗車券、定期券、回数券、特急券など翠の窓口で購入した場合。
・Suica定期券、Suicaカード
・ビューカードによるSuicaへのチャージ、オートチャージ。オートチャージはビューカードのみ可能。
・モバイルSuica

 選ぶべきなのはタイプ1ですが、まずは1番人気で選択肢に上がるのが「ビックカメラSuicaカード」。

他のビューカードですと特典のある加盟店以外で買い物をした場合、還元率は0.5%。しかし同カードは「JARE POINR」、「ビックポイント」が0.5%づつ得られ合計で1%となります。

年会費は年1回の利用で次年度が無料となるので、実質無料といって良いでしょう。ただビックポイントをSuicaにチャージする場合は、1500ポイントあたり1000円分なので3分の2のレート。Suica換算で0.83倍と少なくなりますが、加盟店以外ならそれでも他のビューカードよりも有利。ただ定期券も載せられません。

定期券を一体化するなら2018年7月に登場した「JARE CARD」もあります。アトレやペリエなどJRE優待店での還元率3.5%と高い。

「ルミネカード」はルミネでの買い物が常に5%引きになるので、同店舗では最高還元のカード。

「ビュー・スイカ」は年間利用額に応じてボーナスポイントが貰えるため、メインカードとするなら選択肢の一つになります。

家族カードは9枚まで申込可能で、利用額を合算できる仕様なので家族で所有する場合は効率的にポイントを貯められます。

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名称ビックカメラSuicaカードJRE CARDルミネカードビュー・スイカ
年会費477円(税別)
初年度無料
年1回利用で翌年無料
477円(税別)
初年度無料
953円(税別)477円(税別)
初年度無料
ポイントをSuicaに
チャージした際のレート
0.83倍1倍1倍1倍
Suicaチャージ
還元率
1.5%1.5%1.5%1.5%
一般店舗での買い物
還元率
0.5%(ビックポイント)
0.5%(JRE POINT)
合計1%
0.5%
(JRE POINT)
0.5%
(JRE POINT)
0.5%
(JRE POINT)
JRE加盟店での
買い物還元率
0.5%(ビックポイント)
1.5%(JRE POINT)
合計2%
1.5%
(JRE POINT)
1.5%
(JRE POINT)
1.5%
(JRE POINT)
年間利用額に応じて
ボーナスポイント
11.5%還元
チャージしたSuicaでビック
カメラで買い物
3.5%還元(JREカード優待店で買い物)5%引き
ルミネ、NEWoMan、アイルミネで買い物
年間利用額に応じて
ボーナスポイント
定期券搭載

 貯めたJRE POINTを使う場合は、特に使いみちがなければSuicaにチャージして運賃の足しにします。

少しでもポイントを1円以上の価値で使いたいならば、お得な商品やクーポンに交換するのが鉄則。

ビューカード登録会員限定のですが、「VIEWカードグリーン車利用券」のポイント価値は2.3倍にもなることがあります。

「Suicaグリーン券」も約1.6倍になる場合があり、JR関連のクーポンは用途が決まっていたら有効に活用したいところです。

気をつけなければならないのは、期間限にポイントの使いみち。Suicaにチャージして使用することは不可能なので、アトレなどJRE POINT加盟店での買い物の支払いに消化しましょう。

JR関連サービスは還元率1.5%

JRE POINTは1ポイントを1円単位で加盟店の支払いに使うことが出来ますが、それ以上の価値の交換先も。

ビューカードの登録会員限定ですが、クーポンでは2000ポイントで交換できる「VIEWカード・グリーン車利用券(新幹線・特急用)」が最もお得。

東北新幹線の東京~新青森間でグリーン車に乗車すれば1ポイントあたりの価値は2.3円ほどに。乗車券と指定席特急券を購入する必要がありますが、グリーン車にかかる走行ストが2000円以上なら得となる計算。

「Suicaグリーン券」については、Suica登録会員限定で600ポイントと交換可能。普通列車グリーン券は、乗車距離が51km以上で980円となる場合もあるため400円近くの節約。

おわりに

以上数あるSuicaの違いやビューカードの違いを見てきました。

>最もお金がかからず、乗車ポイントやチャージの際に還元率が高いうえに、一般的でオススメできるのは、モバイルSuica×ビックカメラSuicaカードの組み合わせになります。
また通常の運賃よりIC運賃の用が安いイメージがありますが、路線によっては切符を買ったほうが良い場合もあります。

有名な例では、三鷹~津田沼間の料金。切符では620円ですが、IC運賃ですと814円と200円近く割高になってしまいます。この路線に限らずそういった区間は結構あるので、事前に発着駅が分かっている場合には、見比べてみると良いでしょう。

知名度も高くお得感の強いSuicaですので、関東地方以外でも広く利用されていることかと思います。 しかし必ずしもSuicaでの交通機関利用が安上がりになるわけでなく、ICOCAやmanacaなどその地方の交通系ICカードを使ったほうが遥かに得をする場合があります。 Suica以外の交通系ICかーどについては、以下のリンク先に記載していますので宜しければご覧ください。

交通系ICカードのメリットやデメリット