【2020年6月】 QR・バーコードなどスマホ決済の還元率比較

〇〇ペイと呼ばれるQRコードやバーコードを使ったキャッシュレス決済は増加の一途をたどり、互いに鎬を削り戦国時代のような様相を呈しています。

利用者側としても数多くの支払手段が台頭したことで、興味があってもどのサービスを選ぶべきか二の足を踏んでいる人も少なくないかと思います。

そこで決済による還元があるなど代表的な各種ペイの基本情報や還元率、主だった機能に対応しているかなどの簡単な主要諸元とも言うべき早見比較表を作成しました。

この表でどの支払手段がお得なのか、ライフスタイルにマッチしているのかおおまかな参考になればかと思います。

またここでは街中の店舗での利用に限って比較しています。ネットショップでの利用における比較については割愛しています。

表のあとには、各社バーコード決済や電子マネーの概要についてもいくつか解説します。

キャッシュレス決済比較表

QR・バーコード決済の基本データ

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名称PayPay楽天ペイOrigami PayLine Payd払いメルペイau PayFami PayゆうちょPay
サービス開始日2018/10/52016/10/272015/102014/12/162018/4/252019/2/132019/4/92019/7/12019/5/8
貯まるポイントPayPayボーナス楽天スーパーポイント決済時に即割引LinePayボーナスdポイントなしau WalletポイントFamiPayボーナスなし
支払い方法チャージ払い、後払いチャージ払い、即時、後払い即時・後払いチャージ払いチャージ払い、後払いチャージ払い、即時、後払いチャージ払いチャージ払い即時払い
現金化PayPayマネーのみ
送金機能
公共料金や税金などの収納代行一部だけ一部だけ一部不可
対応店舗のマップ表示
ホーム画面から支払画面までのタップ数1~2タップ1タップ2タップ1タップ1タップ1タップ1タップ1タップ2タップ

還元率の比較 2020/6/5時点

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名称PayPay楽天ペイLine Pay(チャージ&ペイ)d払いメルペイau PayFami PayゆうちょPay
決済業者・店舗からの還元率0.5%(利用実績次第で1.5%まで)0%1~3%0.5%0%0.5%0.5%0%
クレカからの還元率-0.5~1%0.5~1%0%0.5~1%0.5%
ファミマTカードのみ
0%
合計還元率0.5%~1.5%0.5~1%1~3%1%~1.5%0%1%~1.5%1%0%
備考Visa Line Payカード必須
過去6ヶ月の利用額で変動
  • クレカはの還元率は条件によって1%を越えるカードがありますが、ここでの比較は0.5%~1%の還元率のクレカを対象にしています。

PayPay

過去の「100億円あげちゃうキャンペーン」などでスマホ決済の知名度を一気に引き上げ、業界を牽引してきた「PayPay」。

以前は他を圧倒する還元率でその存在感を示してきましたが、2019年10月以降は消費者還元キャンペーンも落ち着いてきました。

それでも使い方によっては最も得する場合もあるので、以下にPayPayの基本的なサービスを説明していきたいと思います。

支払い方法

ペイペイでは2通りの支払い方法があります。

・ヤフーカードや銀行口座などからチャージする PayPay残高払い
・PayPayにヤフーカードや、それ以外のお手持のクレカー登録して支払い

それぞれに還元率の違いや注意点がありますので説明してきます。

還元の基本。支払い方法で還元率が変わります。

ただ組み合わせで少し複雑になるので表にしてみました。実店舗で利用した場合です。

PayPay残高
+ヤフーカード
PayPay残高
+銀行口座
ヤフーカードヤフーカード以外のクレカ
PayPayボーナス還元率
0.5%0.5%0.5%0%
クレカ還元率登録したカードによる
トータル還元率0.5% 0.5%0.5%登録したカードによる
利用限度額
(本人認証済み)
1日で25万円
月で25万円
1日で50万円
月で200万円
1日で25万円
月で25万円
1日で25万円
月で25万円
備考 PayPay残高にヤフーカードでチャージした例。 PayPay残高に指定された金融機関口座からチャージした例。アプリに紐付けたヤフーカードで後払いヤフーカード以外ではVISAとMasterCardのみの対応。

PayPayの基本還元がないため、そのままカードで買い物をするのと同じ還元率になってしまいますので利用する意味はないです。

PayPayはPayPayアプリに事前にチャージして決済する「残高払」のポイント付与率が、2019年10月1日から3%から1.5%に減らされ話題となりました。 そして2020年4月からは更に下げられ還元率は0.5%に

また2020年2月からはYahoo!カードで紐つけてもTポイントが付与されなくなったので、お得感がほとんど失われる事態に。

PayPay専用の電子マネーの種類について

PayPayでは付与元や残高へのチャージ方法などの違いにより4種類の電子マネーがあります。

無駄ににややこしいですが、表を使って簡単に説明します。

発生源出金送金有効期限
PayPayマネー
・銀行口座からチャージ
・セブン銀行のATMからチャージ
・ヤフオク売上金からチャージ
無期限
PayPayマネーライト
・ヤフークレカからチャージ
・ソフトバンク系スマホのまとめて支払いからチャージ
×無期限
PayPayボーナス・PayPayでの支払い毎に加算
・キャッシュレス還元事業のポイント
・キャンペーン時など
××無期限
PayPayボーナスライト・キャンペーン時など××60日間

PayPAYのメリット

  • 不定期で非常にお得なキャンペーンが実施される。
  •  
  • 使える店舗が非常に多い。町の商店でも使えたりします。

PayPAYのデメリット

  • 登場時は破壊的なキャンペーンで他を圧倒していましたが、2019年後半からは見劣りするように。そして2020年2月~4月からはかつての旨味も消失。
  • 2020年2月から、ヤフーカードによる残高チャージでポイント付与が廃止。還元率が1%下がります。nanacoチャージにもポイントがつかなくなるので、日頃に収納代行のため利用していた方は、リクルートカードなどへの移行が迫れられる。
  • 仕組みが複雑で分かりづらい。
  • Yahoo!ショッピングやPayPayモールでの買い物ではお買い得感がありますが、もはや街での買い物(街中の実店舗加盟店)での買い物では、キャンペーン時を除きほとんど意味がなくなりました。

楽天ペイ

2020年3月まではキャンペーン実施のおかけで、それなりにお得感のあった楽天ペイ。

ただそれ以降はこれといったキャンペーンもなく、基本還元率も0なのであえて使う必要のない決済方法です。

使いみちに困っている楽天スーパーポイントを街の店舗で利用したい場合などにおいてはそれなりに有効かと思います。

楽天ペイのSuicaについて

楽天グループは、楽天ペイと交通系ICカードであるモバイルSuicaとの連携サービスを2020年5月25日から開始。

それまでは、Suicaのチャージにはビューカード系のクレカしかポイントが付与されませんでしたが、このサービスにより楽天スーパーポイントが付与されることに。

ただ条件がいくつかあり、
・楽天ペイに紐つけるカードは楽天カードのみ
・モバイルSuicaとの連携なので、おサイフケータイ機能を備えた端末やiPhone7以降の端末に仕様が限られます。

またモバイルSuicaへのチャージは、200円に付き1ポイント(楽天スーパーポイント)が付与。ビューカードの1.5%と比較して大幅に見劣りしますが、ビューカードを持っていないユーザーにとっては、唯一ちゃーじによってポイントが貯まる手段なのでそれなりに需要がありそうです。

従来からビューカードとモバイルSuicaの組み合わせで利用しているユーザーについては、特にメリットはありません。

ただ今後、楽天スーパーポイントでチャージが可能となる見込みなので、期間限定ポイントも対象となれば結構便利なサービスになりうるかと思います。

楽天ペイのメリット

  • 使いみちに困る期間限定の楽天ポイントで支払い可能。
  • 楽天ペイのサイトやアプリで、エントリーをしておかないとお得なキャンペーンを享受出来ない。忘れる場合があります。

d払い

NTTドコモが提供するバーコード決済サービス。ドコモの端末を使っていなくても、dアカウントがあれば利用可能なのがメリット。

しかしながら過去の20%割引キャンペーンなどの大型イベントは鳴りを潜め、現在ではドコモ加入者やdカード所有者向けの還元サービスがメインになってきているため以前ほどの魅力はないです。 2019年秋から大型キャンペーンの連続で俄然目立ってきました。

d払いでの決済で200円(税込み)毎の買い物で1dポイントが付与されます。 楽天カードやリクルートカートなどを登録して紐つけることで還元率が向上します。

ドコモに加入されている方やdカードをお持ちの方は、条件に合致すれば dポイントスーパー還元プログラムに参加できるので更にポイントアップ。

2020年6月30日まで生活応援キャンペーン実施 ポイント還元事業で5%還元の店でポイントアップ

ドコモのキャリアユーザーだけでなく、d払いが利用できるすべてのユーザー向けに魅力的なキャンペーンを実施中。

キャッシュレス・ポイント還元事業において5%還元対象の店舗は国から還元されますが、それに加えてドコモから利用代金総額の5%が翌々月に付与されます。ですので合計で10%が還元されます。更に通常時の0.5%還元分も加算されるので 合計還元率は10.5%となります。

ただ注意点がいくつかあるので箇条書きにします。

  • エントリーが必要。なのでしっかり「エントリーをする」をタップして下さい。
  • ポイント還元事業において5%還元のお店が対象。コンビニなど2%還元のお店はダメです。
  • 「お支払い方法」をdカード以外のクレカにしていると適用対象外になります。ですのでdカードを持っていない方は、口座払を設定して下さい。dポイントでの支払いもダメです。iDのd払いもダメです。かなり盲点なので注意して下さい。
  • キャンペーンで付与されるポイントは進呈から3ヶ月間有効の期間限定ポイント。

d払いのメリット

     
  • ドコモユーザーはポイントアププログラムが使えるので、他の携帯ユーザーよりお得。

d払いのデメリット

  • キャンペーンで細かい条件が多い。
  • アプリの起動が遅い。

キャッシュレス・ポイント還元事業でのd払いの対応

当月で買い物をした際のポイントは翌々月にdポイントが付与されます。

またひと月でのポイント付与上限は30000ポイントなので、60万円分の買い物までカバーされます。

Line Pay

国内の月間アクティブユーザー数が8000万人を越える、コミュニケーションアプリ「LIne」が提供する決済、送金アプリ「Line Pay」。

Lineの友達に手数料無料で送金できたり、一部ですが公共料金の支払いにも利用できたりと使い勝手がよく利用者が多い決済アプリとなります。

今までは銀行口座などからチャージする前払い方式のみでしたが、2020年5月からは新たに登場したVisa LINE Payクレジットカードを登録しての後払い方式が追加されることに。

この後払い方式の名称は「チャージ&ペイ」。後払いなのにチャージとかいう紛らわしい名前がついており、何故このような事になったかは不明。

また従来のポイント還元システムのマイカラー制度が廃止され、2020年5月から「LINEポイントクラブ」がスタート。

これは過去6ヶ月間に獲得した「LINEポイント」の総量を基準に、レギュラー、シルバー、ゴールド、プラチナの4ランクを設定。ランクごとに1%から3%までの還元率が割り当てられる。

つまりヘビーユーザーほどお得になるのはマイカラーと同じですが、還元率がパワーアップしたことになります。

ちなみに以前からのLINE残高での支払い方法についてはポイント付与が廃止され、ViSA LINE Payクレジットカードを登録した「チャージ&ペイ」のみとなります。

またスマホ決済を使わないで、ViSA LINE Payクレジットカードで直接買い物をしてもポイントが付与されます。

ViSA LINE Payクレジットカードについて

2020年4月から申し込みが始まったクレカファン待望のカードです。 最大の特徴はなんといっても他の追随を許さない還元率で3%となります。 2021年4月いっぱいまでの特典となりますが、非常にお得なカードなので申し込みが殺到しているもよう。 以下にその他の特徴や注意点を羅列。

  • Visa発行なので加盟店のみでの利用となります。
  • 初年度年会費は無料。次年度以降は1,250円(税抜)が必要となりますが、年に1回の利用で回避できるので実質無料と言って良いでしょう。
  • 非接触式決済の「タッチ決済」を標準搭載。
  • 支払いで還元されるポイントは「LINEポイント」
  • 還元を受けるには事前に、LinePay上で登録作業が必要。更に「チャージ&ペイ」を利用するにはこのカードが必需品となりますのでそちらも登録を忘れずに。

チャージ&ペイについて

2020年5月から新たに利用可能となった後払い方式の決済手段。 以下に特徴を。

  • Line Payに加わった新たな決済手段。チャージが不要でクレカの利用代金として請求されます。
  • Visa LINE Payクレジットカードで利用が前提。こちらのクレカを手に入れないとチャージ&ペイが利用できません。
  • これの登場により以前からの残高払いについては、ポイントがつかなくなりメリットもなくなりました。
  • LINEポイントクラブの規定に従ってランクが決まり、還元率も決まります。還元率は1~3%
  • 非接触式決済の「タッチ決済」を標準搭載。
  • 支払いで還元されるポイントは「LINEポイント」
  • 還元を受けるには事前に、LinePay上で登録作業が必要。更に「チャージ&ペイ」を利用するにはこのカードが必需品となりますのでそちらも登録を忘れずに。
  • LINEポイントクラブのランクにより、もらえるLINE Payクーポンが異なる。プラチナになればヤマダ電機で5%割引クーポンなどかなりお得な特典がもらえたりします。
  • LINEポイントクラブのランクがプラチナになればポイント還元率は3%。Visa LINE Payクレジットカードと同じ還元率となりますが、普段使いはカードで、クーポンを併用したいときは「チャージ&ペイ」を選択すると使い分けが想定されます。

Lineポイントの使いみちについて

買い物でゲットしたLineポイントは1ポイント=1円として利用可能。LinePayでの決済時に代金から引く形で利用します。

またLine証券を経由して現金化も可能。LINEポイントを証券口座に入れて、LINE残高にしたあと手数料174円~220円を支払い指定の銀行口座に振込、出金することもできます。

キャッシュレス・ポイント還元事業でのLine Payの対応

対象店舗での決済による還元はLINEポイントにて即時付与されます。登録したQUICPay+やLinePayカードでの支払いは月末締めで翌月に付与。

メルペイ

PayPay、LINE Payが覇権を争うQR決済業界に2019年2月に殴り込みをかけたのがメルペイ。

QRコードのみならず、電子マネーのiDに対応したことで、使えるお店が135万店を越えるなどの利便性が売り。

フリマサイトのメルカリでは売上金をメルカリ内で使うか、手数料を払って出金するしか使いみちかなかったことから利用者の不満が続出。

売上金をメルペイを通じて加盟店で買い物を可能にしたことで、不満の解消を狙ったといいます。

2019年のゴールデンウィークには、「まるっと半額還元」なるスペシャルな還元事業を展開。決済時にメルペイポイントが50%還元され、セブンイレブンなら70%が還元されるなど、他を寄せ付けない販促イベントを実施したことで話題に。

第二弾も6月に行われ、こちらもセブンイレブンやファミリーマートでの買い物が70%還元など利用者を歓喜させました。

ただそれ以降、目立ったキャンペーンも実施されず、更には通常時の決済でもポイントが付かないことから現在では利用価値が全くなくなりました。

2020年6月現在は、メルペイスマート払のキャンペーンも終了しメルペイで買い物をしても還元率は0。特に利用するメリットがありません。

今後の新たな目玉キャンペーンに期待です。

au PAY

2019年8月からau利用者以外にも使えるように、楽天ペイと連携することで使用できる店舗を拡大中。

決済時の還元は200円につき1ポイント(au WALLETポイント)なので還元率は0.5%。カードでチャージすればその分還元されます。

auの携帯電話契約者でauスマートプレミアム会員なら200円つき3ポイントが付与されます。

またauスマートプレミアム会員限定で毎月の3がつく日には、20%オフのキャンペーン「三太郎の日」を実施。会員なら大変オトクですが、それ以外の携帯契約者やau以外のスマートフォンをお持ちの方はau Payでの金銭的メリットはあまりありません。

au PAYのメリット

  • d払いに対抗しているのか、2019年9月以降から魅力的なキャンペーンが連発しているので 今後に期待

au PAYのデメリット

  • 通常時の還元率が低い。
  • チャージの最低金額が3000円から
  • MasterCard以外でチャージ可能なカードが乏しい。
  • アプリの起動が遅いので、レジに並ぶ前に準備が必要かも

キャッシュレス・ポイント還元事業でのat Payの対応

・5%還元店舗の場合は200円ごとに10ポイント(au WALLETポイント)が付与。
・2%還元店舗の場合は200円ごとに4ポイント(au WALLETポイント)が付与。

それぞれ利用した日から一ヶ月後に付与されます。

WAON

WAONについてはイオンでの買い物に関する記事にあります。

イオンでのお得な決済方法など WAON POINT、WAONポイント、ときめきポイントの違い